始めたばかりの人向けの小技あれこれ

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 18 年前のあの頃は、自分で見つけた設定を友達に教えることなんてあまりなくて、ほとんどが誰かから教えてもらった設定で喜んでいたものだった。それも、こっちはほとんど英語が使えないやつだったから、相手も大変だっただろう。

 お互い何ヶ月もかけて手探りで見つけたものばかりだ。

 そして 18 年後、P99 をやりだしてから、あぁこれは面倒だけどそういえば何か良い方法があったような・・・あ! あったこれだ! なんて思い出しながらレベリングをしていた。

 ここでは、そういうものを列挙してみる。

W 押しっぱで走るのがだるい・・・そうだ、オートラン

 馬鹿みたいによく使うのにデフォルトが「NUM LOCK」・・・

 え、あ、あの・・・

 すかさず左手の押しやすいキーにバインド。

 私の場合は R。

 Alt-O > Keys > Movement > Auto Run

 今時の MMO であれば、マウスボタン 4、5・・・などを当たり前に知っていて、私の場合はボタン 4 (親指) をオートランに設定するのが定番になっているが、EverQuest はやっとホイールが一般的になった時代のゲームなので、当然知らない。

やばいこれ、し、死ぬううゾーンはすぐそこなのに!

 右や左キーを押しながら直進して斜めに走ると、ただ走るよりもわずかに早く走れる。A. K. A. カニ走りである。これで生存率がかなり上がる!

あれ、さっき誰かから tell が・・・

 tell は、デフォルトだとチャットウィンドウに他の行と混ざって表示され、チャットですぐに流れてしまう。しかし、重要なことを伝える時に使われることも多い。見落とすと対人関係がマイナスになるし、戦闘関係だとヘタをすると大惨事につながることもある。

 Alt-O > Use Tell Windows で、このように tell 専用のウィンドウが相手ごとにポップアップするようになり、見落とさなくなるだろう。

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  私の場合、複数の蘇生依頼がきている時は、その順に並べたりしている。

うわっ・・・私のチャットウィンドウ、見にくすぎ・・・?

 文字が小さすぎて見にくい。これは当時のブラウン管と違い、今時の液晶だと解像度が著しく上がっているため、相対的にデフォルトが小さくなっている。

 フォントサイズを大きくしたいウィンドウの上のタイトルを右クリし、Always chat here を選択、次のコマンドを入れる。

 /chatfontsize 5

 ちなみに、5 が最大である。しーん

 → 追伸: help では 0-5 となっているが、なんと 6 まで設定できる!

 次に別のウィンドウのタイトルを右クリして Always chat here を選択し、コマンドを入力・・・というふうに、全てのウィンドウでこの操作を繰り返す。

 次に、背景を黒塗りにする。

 ウィンドウのタイトルを右クリし、Window > Background > Texture。再度右クリして Window > Background > Tint Color で黒を選択。

 これで視認性はかなり改善されるはず。

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 私の例。

 一番左がいわゆるメインウィンドウで、デフォルトのフォントサイズ。ここのフィルターは触らない。

 次がギルドチャット専用で、サイズ 5。/gu (/guildsay)

 3 番目は主にローカルのチャット。普段はこれが Always chat here。

  Filters > Say / Group / OOC / Shout / Emote / System / Random / XP / Who / Pet response

 4 番目の細いのは自分 (と、いればペット) のダメージ。

  Filters > Melee > Your Hits / Misses / Being Hit / Being Missed

 5 番目の細いのは他のダメージ。

  Filters > Melee > Other Hits / Misses

 このように数字だけを出したい場合、ウィンドウタイトルを右クリし Hit Modes の中でどれを number only にするかを設定。

 Your Hits > Number Only

 Your Misses > Miss Only

 You Being Hit > Number Only

 You Being Misses > Miss Only

 Others Hits > Number Only

 Others Misses > Miss Only 

マウスポインターどこいったの!

 デフォルトのポインターは小さすぎて、乱戦などで見失うことがある。

 P99 フォルダの uifiles/verious/arrow.cur を削除すると、Windows のデフォルトを使うようになる。

 あとは Windows のコンパネから自由に設定が変更できる。

 コンパネ > デバイス > マウス > マウスとカーソルのサイズを調整する >

 ポインターのサイズを変更 > ここで大きくする。私は 3。

 ポインターの色を変更 > 私はピンク。

なんかターゲットが大変なんですけど

 今時の MMO と違い、このゲームのクリックによるターゲットはまともに機能しないと思った方がいい

 単体ならばそれほど問題にならないが、別のモブがいたり、自分のそばに誰かがいたりするとまともにクリックできない。(というか当時はそれが当たり前だったから、WoW をやりはじめたときは驚いたものだった)

 そこで、Nearest NPC を使う。これは、一番近い NPC をターゲットする。

 ソロ、プラー、タンクには必須だ。

 デフォルトでは F8 なので、左手で押しやすいキーにバインドしよう。私の例では T に設定している。

 なお、Blue サーバでも使えるタブターゲット (押すごとにローテーションするやつ) は、Green サーバでは「この時代にはなかった機能」として無効にされている。なので、立ち位置を変えてからニアレスト NPC を使うようなことが行われている。

 ただしバグっているので注意。モブが壁に少しでも埋まっていたりすると、どういうわけか機能しない。そういう場合は諦めてクリックしよう。

 次にアシスト。

 自分がターゲットしている人のターゲットをターゲットする機能だ。

 EverQuest では、特殊な状況でもない限り火力を集中して 1 匹ずつ数を減らしていくというスタイルが取られるため、これはグループプレイをする上では必須の操作になる。

 ほとんどのケースでメイン・タンク (MT) をアシストしておけば間違いない。

 つまり MT が Foo さんの場合

 /assist Foo

 というマクロを作り、ホットボタン 5 などに置く。

 グループを新たに組むたびにそれを右クリして名前を書き換えよう。

 たまに MA 誰それ、など MT とは別にメイン・アシストを指定するグループもある。

てか、ここドコよ!? ・・・あっ

 ちーん。

 なーんてあの頃と同じ harshness 体験をしたい人には余計なお世話かもしれないが。

 私は極端な方向音痴で、これが無いと生きていけないというか死ぬ!

 というわけで、私のおすすめはこのアプリ

 ZlizEQMap

 設定も簡単。インストールして起動し Settings で P99 のフォルダを指定。

 次に、P99 のフォルダにある eqclient.ini ファイルをメモ帳などで開き、

 Log=TRUE

 という行を追加して保存。

 ゲームを起動して、Abilities ページの空いているボタンを右クリして、Sense Heading を指定する。例えばそれが Abilities の 1 番だった場合、次のようなマクロになる。

 /loc

 /doability 1

 このマクロを押して、アプリ側に X や矢印が表示されているのを確認しよう。

 とりあえず使うならここまでで良いし、下記は常用するときの応用。

 このマクロをホットボタン 6 に入れる。次に Alt-O > Keys タブの Hot button 6 の Alternate に「A」を設定。左を向く A とかぶっているせいで赤くなるが、そのまま使える。

 こうすることで、左を向くと上記のマクロが発動、マップアプリの矢印が自動で更新されるようになる。

 Sense Heading のスキルが低いと失敗して向いている方向がわからず、X で自分の位置だけが表示される。ただ、この方法を使えばキャラを動かすたびにスキルが発動するので、数日でレベルキャップまでいくはず。

 ZlizEQMap 以外には、nParse というアプリもあって、こちらは精密な線画のマップが使える。お好みで。nParse は Kirry さんのサイトが詳しい。

 

このアプリの仕組みを知りたい人向け:

 ini ファイルに Log=TRUE と設定しておくと、EQ のログが全部 P99 フォルダの Logs/eqlog_キャラ名_P1999Green.txt というファイルに記録される。マップアプリはこのファイルの更新を検知し、「Your Location is X, Y, Z」という行と「Your think you are heading 方向.」という行を拾って表示している。なお、ログを読むツールは運営から許可されている。

やばい、食い物なくなったわ

 このゲーム、食べ物は HP 自然回復、飲み物は MP 自然回復として、カバンの中で自動で消費される。これらが切れるとゲームにならないため、常に補充しておく必要がある。

 それらを地べたやダンジョンの岩から拾い、なんならそのまま拾い食いできる魅力的なスキルが「Forage」。イクサー、ウッドエルフ、バード、ドルイド、レンジャーが使える。ただしクールダウンが 120 秒なので、鍛えていることをすぐに忘れてなかなか上げにくい。

 これを、上記のマップアプリのマクロに相乗りさせる。

 /loc

 /doability 1

 /doability 2

 /pause 10

 /autoinventory

 Abilities の 1 が Sense Heading、2 が Forage だとすると、このようになる。左を向くとマップを更新しつつフォレージを行い、素材が取れた場合はカバンにアイテムを落とす。

 このように、クールダウンが長いスキルを鍛えたい場合は、このマクロに追加することで勝手に使ってくれる。

このくっそ耳障りな効果音で頭がおかしくなりそうです!

 P99 フォルダの SoundAssets.txt の下記の文字を含む行を削除することで、それぞれの音をミュートすることができる。例えば、箱を閉める音:

 133^Chest_Cl.WAV

 この行を消すと音がしなくなる。下記の耳障りと感じるものを選び、その文字列をメモ帳の Ctrl-F で検索して行ごと消そう。

 バッグ関係

 chest_cl 箱を閉める音

 chest_op 箱を開ける音

 itemclth バッグを閉める音 ← 地味に効く

 wearclth アイテムを収める音

 環境音

 thunder1 雷 ← 筆頭

 thunder2 雷 ← 筆頭その2

 wind_lp1 トンネルの風

 wind_lp2~4 風ループ

 wind_wh 風ループ

 wind_cave_lp 風ループ

 wind_corr_lp 風ループ

 wind_lite_lp 風ループ

 wind_strong_lp 風ループ

 watundlp 水中音

 モブ関係

 were - warewolf。猿変身をよく使う ENC 向け

 wolf_ - うぉーんというあれも含めて全部。DRU / SHM / RNG

 spec_oop - スペックのにょごろろろろといううめき声。

 spec_idl - ふんふんふーんといううめき声。この 2 行は 60 Necro 様必須か

Lava Storm の北にいくと耳が壊れる!

 あの「ずどーん!」というクソみたいな噴火音は、上記の SoundAssets.txt 内に無いらしい。しかも Options のボリュームを貫通して最大音量で来るので、油断していると心臓に悪い。

 こいつを手っ取り早くなんとかしたい場合は、このファイルを削除する。

 P99 フォルダの snd11.pfs

 この見慣れない「PFS」ファイル。いろんな wav ファイルを収めた独自のアーカイブらしく、こいつを消すと他の音も一緒に消えてしまう。snd11.pfs については 221 個も音が入っている。SoV 拡張以降に登場するモブの鳴き声などが殆どのようだが、中には今使われているものもあるかもしれない。

 そこで、このアーカイブを操作してみよう。

 EverQuest は落としておかないと面倒なことになるので注意。

 念の為、オリジナルの snd11.pfs はどこか別のフォルダにバックアップしておく。

 次に S3DSpy というツールを sourceforge からダウンロードして起動。EQ Folder ボタンで P99 のフォルダを指定。左ペインで snd11.pfs を選択し、右ペインから下記を選択して Delete で消去する。

  • Thunder_rolling.wav
  • stomp_01.wav
  • stomp_02.wav

 S3DSpy を閉じて、EverQuest を起動して確認する。

 この方法を使えば、特定に時間はかかるものの、ある音だけを消したり、別の音に入れ替えたりできるようになる。

私の死体の蘇生タイマー勝手に進んでるんだけど、どゆこと?!

 死体には蘇生可能な期間があり、死んでから 3 時間までとなっている。これはログインしている間に減っていく。そしてここが落とし穴だが、同一アカウント内の他のキャラでログインしているあいだもそれは減っていく。

 例えば別キャラをメインと同じアカウントに作ると、別キャラで遊んでいる間もメインの死体のタイマーは減っていってしまう。

 また、推奨はできないが、クレリックやポーターは緊急時に仲のよい人物にキャラを貸す可能性もあるため、アカウントはキャラごとに分けておいたほうが無難だ。 

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バンクにアレ何個持ってたっけ・・・

 と、ダンジョンの奥地で思ったところで、知る術はない・・・はずだが、

/outputfile

 このコマンドで、inventory.txt というファイルができる。

 メモ帳などで確認できる。

どうしてこうなった・・・

 このゲームで遊んでいると、ふとそう思ってしまうことが多い。

 EverQuest は最初期の 3D MMORPG だ。半分インディーズのような開発だったから、彼らも試行錯誤だっただろう。デフォルトがとんでもなかったりするのもそのせいだと思う。プレイヤーの操作性の好みもはっきりわかっておらず、手探りでとりあえず用意しとけ的な痕跡が見られる。

 これほど長時間プレイヤーが触れるソフトウェアになると思っていなかっただろうし、プレイヤーも自分にとって一番快適に操作できるように試行錯誤をしていた。

 そして結局は「三人称視点」、「押しやすい位置にあるオートラン」など、数え出したらキリがないが、多くの人がある設定に収斂していき、それがのちの MMO のデフォルトとして採用されるようになる。

 今時の全ての 3D MMO の取っ掛かりがコレだったのだ。

 あれから 20 年以上先の未来に我々はいるのだし、こうした不便さも含めて苦笑いで許したい。アドオン蟻地獄になる WoW と違って、シンプルで良いのではないかとさえ思えてくる・・・

 

 

・・・わけねえだろ!!

 

 

応用編はこちらです

それでは、ハッピーオールドゲームライフ!